川島雪永さんが電子情報通信学会にてマイクロ波研究会?2023年度学生研究優秀発表賞を受賞

2024/03/12
  • 電気電子情報工学専攻
hiroshima


受賞者
川島 雪永 さん(電気電子情報工学専攻 修士2年生)

指導教員
田中 愼一 教授(情報通信工学科

学会?大会名
電子情報通信学会

賞名
マイクロ波研究会?2023年度学生研究優秀発表賞(年間)

発表題目
1ポートCRLH線路を用いて広帯域で高調波処理を施した1.8-2.2GHz帯逆E級高出力増幅器

研究目的
マッシブMIMOを用いる5G/ポスト5Gの携帯電話基地局では,例えば256個のアンテナ素子に合わせて大量の増幅器を高密度実装する必要があります。そのため,増幅器は,高効率化,広帯域化,および回路小型化という相反する3つの要求を満たすことが大きな課題?目的でした。

研究内容
本研究では,広帯域?高効率という高い潜在力が期待されながら,既存の手法ではそれを引き出すことが難しかった逆E級増幅器に注目しました。今回は,高性能な逆E級増幅器の実現を阻んでいた問題点を克服する手段として,回路サイズが波長に縛られない左手系電磁波の性質を利用するCRLH(右手/左手系複合)線路を用いました。これにより,従来より10分の1以下の回路面積で広帯域?高効率な特性を示す逆E級増幅器を世界で初めて実現することに成功しました。


今後の展望
今回の成果により,次世代のマイクロ波増幅器の研究が進むべき方向の一つを示すことができました。本技術は,最終的には無駄な消費電力を抑えながら高速大容量の無線通信を実現する目標につながると考えています。