金井宏喜さんが日本金属学会にて日本金属学会新進論文賞を受賞

2024/05/30
  • 材料工学専攻

受賞者
金井 宏喜 さん(理工学研究科材料工学専攻 2年)

指導教員

苅谷義治 教授(工学部)

学会?大会名
日本金属学会

賞名
日本金属学会新進論文賞

発表題目
Fatigue Life Prediction of Die-Attach Joint in Power Semiconductors Subjected to Biaxial Stress by High-Speed Thermal Cycling (Materials Transactions Vol.63 No.6)
高速温度サイクルによる等2軸応力を受けるパワー半導体ダイアタッチ接合部の疲労き裂ネットワーク破壊寿命予測

kanai

研究目的

電力半導体デバイスにおける半導体と絶縁基板を接合するダイアタッチは動作時の繰り返し熱応力もしくは熱ひずみ (パワーサイクル) により疲労破壊し、熱抵抗上昇によるデバイスの故障を招く。この破壊形態として疲労き裂がネットワーク状に連結する破壊 (疲労き裂ネットワーク) が報告されている。近年のパワーデバイスでは、この破壊がダイアタッチ接合部の主たる破壊モードとなるため、その寿命予測手法を検討した。

研究内容

Si/はんだ/Si接合体試験片を用いた高速温度サイクル試験を実施した。この試験により疲労き裂ネットワーク破壊寿命のサイクル依存性、また、その寿命の試験条件依存性を確認し、寿命予測手法構築に必要な実験データを揃えた。得られたデータを基に、拡張体積理論を組み込んだ新しい疲労寿命予測の推理モデル作成を行い、最終的にダイアタッチ接合部の疲労き裂ネットワーク形成寿命則を提案した。

今後の展望

有限要素法(FEM)解析を用いて電力半導体デバイスに実装された状態での寿命予測が行えるように、高速温度サイクルによる疲労破壊を再現するFEM解析を中心に研究を進め、疲労寿命式の構築を試みる必要がある。